Categorization of natural movements
by pigeons: Visual concept discrimination and biological motion.
(ハトによる自然運動の分類:視覚的概念弁別と生物学的運動)
Dittrich, W. H., Lea, S. E. G., Barrett, J., & Gurr, P. R.
Journal of the Experimental Analysis of Behavior, 1998, 70, 281-299.
3つの実験で、ハトは弁別つき自動反応形成手続きにおかれた。ビデオ画像で提示される運動刺激のカテゴリーによって強化子との結びつきが異なっていた。どの刺激もハトがある定義された反応をおこなっている内容だった。実験1では、一方のカテゴリーはつつき運動、他方のカテゴリーは歩行、飛行、頭部運動、静止から成っていた。つつき運動が正刺激であった4羽のハトは、いずれもうまく弁別したが、それが負刺激であった4羽のハトは、1羽しか成功しなかった。つつきが正の群では、4つの負の運動によってつつき反応率が異なっており、この違いは個体間で一貫していた。実験2では歩行とつつきだけが使用された。どちらのカテゴリーが正であるかにかかわらず、何羽かのハトはこの弁別を学習し、同じ運動が少数の光点で表示された新刺激(ヨハンソンの生物学的運動)にある程度の転移を示した。実験3では、光点で示されたつつきと歩行の動作のカテゴリーの弁別が訓練された。8羽のうち4羽のハトは弁別に成功したが、完全詳細情報を含む刺激表示には転移しなかった。実験1と3で、同じカテゴリー内の刺激が正刺激や負刺激群になる偽概念弁別の統制群も訓練された。8羽のハトのいずれもこの弁別には成功しなかった。これらの結果は運動の手がかりだけでハトは運動刺激に対する分化した反応を学習できることを示している。
(藤田)