Manufacture and use of hook-tools
by New Caledonian crows.
(ニューカレドニアカラスによる鉤型道具の製作と使用)
Hunt, G. R. (Massey University)
Nature, 1996, 379, 249-251.
野生鳥類の道具行動は、ほとんどの場合ステレオタイプで、道具製作においてはほとんど原材料を加工しないとされてきた。私はここに、ニューカレドニアカラス(Corvus moneduloides)による、獲物の捕獲を補助するための、鉤型に曲がった小枝と、階段状に切断された棘のあるパンダーヌスの葉という2種類の鉤型道具の製作と使用を報告する。カラスの道具製作には、高度の標準化、道具の形成時の明確な形態への要求にともなうはっきりと区別された道具のタイプ、鉤の使用という野生のヒト以外の動物の道具使用にとって新しい3つの特徴があった。これらの特徴は、前期旧石器時代以降の初期人類の石器、骨器使用文化になって初めて出現しており、カラスが道具の製作と使用について、かなりの技術的能力を達成したことを示す。
(山越)