No.51-1(1998/12/09)

Priming of attention to local or global levels of visual analysis.
(視覚情報解析の際、局所または全体へ注意を向けることで生じるプライミング効果)

Fremouw, T., Herbranson, W. T., & Shimp, P. C. (University of Utah)
Journal of Experimental Psychology: Animal Behavior Processes, 1998, 24(3), 278-290.

ヒトは部分と全体の間で注意の方向を変えることができる。このことは、小さな(局所的な)文字から構成された大きな(全体的な)文字のように、階層構造をもつ複合刺激をもちいた実験でみられる。これらの実験では、ターゲット刺激は局所あるいは全体レベルのどちらかで提示され、ディストラクターはターゲットとは異なるレベルで提示される。レベル間での注意の推移は、実験的にはプライミングの手法を通じて示される。そこでは、あるレベルのターゲットがそれとは別レベルのターゲットより高い確率で提示される。この基本割合型(base-rate type)プライミングは、ターゲットへの反応速度を早めることがある。すなわちプライムされたレベル(高確率で提示されるレベル)のターゲットへの反応時間が短くなる。実験1ではそのようなプライミング効果をハトで示した。実験2では、別レベルのディストラクターを新奇なものにしたときでさえ、高確率のターゲットに対する正答率は高く保たれており、このプライミング効果が確かめられた。

(徳久)