No.53-1(1999/01/06)

Two functional orientations of self-exploration in infancy.
(乳児の自己探索行動における機能的2方向)

Rochat, P., & Morgan, R. (Emory University)
British Journal of Developmental Psychology, 1998, 16, 139-154.

生後3-5か月のヒト乳児20人に、自分の足が適切に映っている画像とそうでない画像(左右を逆転させたもの)を、大きなテレビモニターを使ってオンラインの状態で見せた。以下の2つからなる実験条件が設定された。1)物が画像に含まれない条件:乳児が足を動かすたびに音がなる、足を写した画像を呈示。2)物が画像に含まれない条件:乳児が足で物を蹴るたびに音がなる、足と物を写した画像を呈示。その結果、生後3か月から、乳児は条件にあわせて、相対的に視覚的注意と足の動きのパターンを逆転させ始めた。これまでは、3か月と5か月の乳児は、1)の条件において足を左右逆転させた画像をみせた場合に、有意に注視時間が長くなり、より活発にふるまうことが明らかにされていた。一方、2)の条件において足を適切に映した画像をみせた場合に、有意に注視時間が長くなり、より活発になった。以上の結果は、乳児は生後1年の間に、自分自身の身体感覚を、乳児がモニターすることで知覚的に組織した存在として理解し、物を探索したり、環境における行為の作用によってコントロールしていく証拠として解釈できる。

(明和)