Social learning of 'artificial fruit'processing
in capuchin monkeys (Cebus apella).
(オマキザルにおける「人工果実」に関する社会学習)
Custance, D., Whiten, A., & Fredman, T.
Journal of Comparative Psychology, 1999, 113, 13-23.
ヒトに養育された11頭のオマキザルにおける社会学習を「人工果実」を用いて調べた。人工果実は、霊長類が自然下で直面する採食問題と類似するものとして設計された。オマキザルは、モデルとなるヒトが3つの基本的要素で構成されている「人工果実」の開け方を観察した。「人工果実」には、2タイプの開ける型(「ボルト」と「バレル」の留め金で蓋が閉められている)があり、どちらかの開け方をひとつの「人工果実」に設定した。オマキザルは、程度の差こそあれ、3つの要素のうち1つの要素を再現した(「つつく」と「ねじりながら引く」を区別して、2つの滑らかなプラスチック製の「ボルト」をはずす)。しかし、他の2つの要素は再現しなかった。独立した2人の評定者は、被験体が観察した型である「ボルト」に関する被験体の反応を、観察されたモデルの行為とかなり一致すると判断した。これは、単純な模倣、あるいは「物の動きの再現」(Aは、どのように物や物の一部が動くのかをBの行為から観察学習する)と解釈することができる。以上より、オマキザルは、これまでサルで示されてきた以上に複雑な社会学習が可能であることがわかった。
(明和)