Luminance and choromatic discrimination in the horse (Equus caballus)
(ウマの明度弁別と色弁別)
Macuda, T. and Timney B.
Behavioural Processes, 1999, 44, 301-307.
被検体が明るさの手掛かりを使う可能性を極力排除した状況で,ウマの色覚を測定した.二段階の実験で,まず無彩色のターゲットを用いて明度弁別関数を求め,次にさまざまな明度のターゲットについて色弁別をテストした.正刺激はニュートラル・デンシティ・フィルタや広帯域の色フィルタを使い,明るさあるいは色を変化させた.負刺激は一様な灰色とした.明るさの弁別では被検体のウマたちは明度差の大きいときにはよい成績を示したが,正答率は明度差が対数単位で0.2以下になるとほぼチャンスレベルに低下した.また,成績の低下は緑と黄の色弁別関数において顕著であった.これはウマが黄や緑を灰色からうまく弁別できないことを示唆している.しかしながら,赤と青についての色弁別関数はターゲットの明度の広い範囲においてよく弁別ができることを示した.これらの結果はウマが少なくとも二色型であることを示唆している.
(山下)