Object-goal positioning influences
spatial representation in rats.
(物体と目標の位置関係によってラットの空間表象は変わる)
Cook, R. G. & Tauro, T. L. (Tufts University)
Animal Cognition, 1999, 2, 55-62.
物体(ランドマーク)と目標の間の幾何学的関係によって、ラットの空間的行動がどのように変化するかを、3つのテストによって調べた。2群のラットが、物体の置かれた円形実験場のどこかに隠された食物を探索した。実験場には24本の小さなポールが立てられていた。「近」群では、すぐに区別のつく4種類の物体が、4箇所の餌のあるポールのそばに、正方形の形状をなすように置かれた。「遠」群では、同じ物体が、餌の隠されたポールから見て45度だけ回転した位置に置かれた。「近」群のラットは「遠」群のラットよりも速やかに餌のあるポールを学習した。ランドマークが「除去された」テストと「並べ替えられた」テストの結果、学習した物体の使い方は、これら2群で異なっていることが示された。物体が目標に近いときには、物体を標識(beacon)として使用することが促進され、遠い場合には、実験場全体の幾何学的特性が全体としてコード化され、物体は陸標(landmark)として用いられるようになることを、この結果は示している。
(徳久)