No.91-2(1999/10/28)

Infants' Memory Processing of a Serial List: List Length Effects.
(系列リストに対する乳児の記憶処理: 項目数の効果)

Gulya, M., Sweeney, B., & Rovee-Collier, C.
Journal of Experimental Child Psychology , 1999, 73, 72-91.

6ヶ月の乳児に項目(モビール)数3の系列リストで訓練を与えると、24時間後のテストでは初頭効果が示される。3つの実験で、リストの項目数を増やすと系列順序の記憶が損なわれた。全実験とも5個の項目で訓練した。実験1では、24時間後の再認テストでの初頭効果はみられなかった。すなわち、乳児はどの系列位置の項目も再認した。実験2では、再活性化(プライミング)テストで初頭効果が示された。系列内の項目順が情報としていったんは入っている可能性を示唆する。実験3で、項目の順番は訓練時に記憶されていることが確認された。再活性化の手続きの後、どれか一つの項目をキューとして先に与え、他の項目の再認をテストした。先行するキューが正しい順番となっているとき、乳児はテストでその後に続く項目を再認した。時間をおいて系列内の項目順をテストしたときと再活性化の後テストしたときとで異なる再認反応を示されたわけだが、乳児が機能的に区別される2つの記憶システムを持っていることをさらに証拠立てるものである。

(塩坪)