No.93-1(1999/11/11)


Limitations of a bidirectional control procedure for the investigation of imitation in rats: odor cues on the manipulandum.
(ラットでの模倣の研究において用いられる、二方向コントロール法の限界:操作体上の匂い手がかり)

Mitchell,C.J., Heyes,C.M., Gardner, M.R., & Dawson, G. R.
The Quarterly Journal of Experimental Psychology, 1999, 52B, 193-202.

マガジントレーニングを受けた観察者ラットは、同種の提示者ラットがジョイスティックを左右のどちらかに動かして餌を与えられるのを見る。その後、観察者は提示者が居た場所でジョイスティックに触れることができ、どちらの方向の反応に対しても、報酬が与えられる。半分の観察者(0群)では、観察者と提示者が反応するときの場所が同じであった。残り半分の観察者(180群)では、観察時とテスト時とで、操作体をとりつけるときに180度回転させた。二方向コントロール法を用いた従来の実験と同様に、0群のラットは提示者と一致した反応を示した。つまり、動作者の体躯に対して、提示者がしたのと同じ方向にジョイスティックを倒した。しかし、180群では逆の効果が見られた(提示者と一致しない反応が確実に見られた)。この結果から、反応の方向と反対側に提示者がつけた匂いや味の手がかりは、二方向コントロール法において提示者と一致した反応を引き起こすのに十分であることが示される。

(粟津)