Reasoning about a Structured Object: Three-
and Four-Year-Old's Grasp of a Borderline Case and an Unexcluded Middle.
(構造化された事物についての推論:3、4歳児による「境界例」と「非排中性」との理解)
Sharpe, D., Cote,M., & Eakin, L.
Child Development, 1999, 70-4, 866-871.
事物は、概して構造を持っており、つまり部分に分析できる.それにより、属性の敷衍に関するある種の問題が生じることになる.たとえばある物体は部分的にはある属性を有しているが全体としてはそうでなかったり(境界例a borderline case)、またある物体は異なる部分で相反する性質を持っているために、その物体全体ではどちらの性質でもない(非排中性an unexcluded middle)という場合もある.実験1(被験児24人)では3歳児の境界例の理解を調べ、実験2(被験児28人)では3歳児の非排中性の理解を調べた.結果として3歳児が部分ら全体への属性敷衍を推論する高度な能力を持つことが示された.ここではこの結果を幼児が用いることの出来る基本的な解釈的構造(特に事物構造)との関連で論じる.